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■■■ 毎日新聞 「古木“救った”伝統技術」 1985年(昭和60年)11月20日毎日新聞記載記事より抜粋。
伝統の造園技術でシイの木を残そう−。北区立稲付公園内にある樹齢三百年以上のシイの大木を「立曳(たちびき)」という昔ながらの方法を使って移植する作業が始まった。立曳は木の根をムシロで包んで「井」の字型に組んだ角材(井げた)に乗せ、コロを利用しながら人力で引いて動かす方法。木が大きすぎてクレーン車が使えずこの伝統技術の登場となったが、人手がかかることや、準備に一年半も必要なことから、現在では行われていない。
このシイの木は高さ十五メートル、幹の直径一メートル、重さはざっと四十五トン。歴史を感じさせる見事な姿が区民からも親しまれていた。昨年、同公園のがけの土止め工事の邪魔になると分かった時も「貴重な古木を残すべきだ」との声が起き移植が決まった。
問題はその方法。木が大きすぎ、公園の敷地も狭いので、クレーンで吊り上げるのは無理。造園関係の本などを調べて古くから伝わる「立曳」を採用することにした。
ところが、この伝統技術を伝える業者探しにはひと苦労。造園業者を尋ね周り、三十年ほど前、東宮御所の松の老木をこの方法で移植した実績を持つ埼玉県川口市の業者を見つけ出した。
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